☆ナイフエッジテスト
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カセグレン光学系をセットし、明るい天頂付近の恒星を視野に入れ赤道儀を運転しな
がら低倍率の視野の中心に導入。そうして、接眼部のアイピースを外し、Ｌ型カッターかカミソリの刃をセロテープや布テープで接眼部に固定（下図①の様に）。刃の無い状態で見た場合恒星は②満月の様に輝いている。
そこで、ナイフの刃だけを右にずらしても良いがそれは難しいので赤道儀の赤経ボタンでナイフを接眼部ごと左から右へ微動させると（恒星時運転１.５～２倍速で）ナイフでカットされた恒星の焦点像はその焦点像では満月の様な明るい視野から次第に濃くなり最後は真っ黒になります。その黒くなる直前の状態を検査するのがナイフエッジテストです。
ナイフエッジテストの結果・・
下図の①に見えれば最高の光学系で高倍率でも像は崩れず、反射鏡研磨の技術は素晴らしいもので私達の模範となる光学系です。また、ロンキーテスト（１インチ/２００本）も直線になり（大口径は気流の影響でかげろうの様に動く場合もあるが、完璧な直線は神様以外出来る訳はない！）。
②の様にに見えると、光学系の分解能は悪く高倍率も掛けられないが、凸鏡を再製作（再研磨）する事によって良く見えるでしょう。こんな方々の凸鏡の再製作のご注文をお受けいたしています。
③の場合は、主鏡のカーブも悪くその上に凸鏡の曲率も悪く複合して最悪の結果もあるでしょうが、凸鏡だけを再製作しても良くならない場合もある。
さあ！こうして①になる様に凸鏡を整型して行く。何十時間、何百時間をかけて。そのやり方は 凸鏡の整型 の項をどうぞ！
整型の最終結果・・（５０ｃｍカセグレンの場合）
整型の結果を見てみよう。例として、５０ｃｍカセグレンは凸鏡は２枚研磨製作。第１凸鏡、第２凸鏡を整型し結果の良い方を選ぶ事にすれば良い。
第１凸鏡の写真
第１凸鏡でカセグレン光学系をセットし写真撮影。このカセグレンの仕様は口径５０ｃｍ、ｃｆ（カセグレン焦点）＝６６９７ｍｍ、Ｆ１３.４、凸鏡曲率f＝８１２ｍｍ。テストの撮影は、カセグレンの接眼部にビデオカメラを持って手持ちでブレながら息を殺しての撮影でとても疲れる！撮影中、星像は空気の揺らぎでグラグラ状態。代表的に４コマの写真が下である。恒星はアルデバラーン
２０１０年１１月５日夜 ソニービッデオカメラＨＤＲ－ＨＣ９で撮影
第２凸鏡の写真
５０ｃｍカセの仕様は第１凸鏡と同じでｃｆ＝６６９７ｍｍ、Ｆ１３.４とするが、厳密にはこちらの方がｃｆは短い。凸鏡の曲率はf=８１７ｍｍで第１凸鏡より５ｍｍほど曲率が浅い（ｆが長い）。これは鏡筒前部のスパイダーで凸鏡を取り付けるセルの位置が第１凸鏡より６ｍｍほど主鏡側に来る差だ。
ナイフエッジテストは、空気の流れで星像のグラグラ状態は第１凸鏡の時と同じ。ただ、御覧の様に鏡周側近くにややリングらしきものが認められるが全体としてはフラットの様にも見えるが第１凸鏡より評価は悪いだろう。
５０ｃｍ主鏡単独の直接焦点でのテスト
５０ｃｍ主鏡単独でのナイフエッジテストは、副鏡を使わないプライムホーカスなので鏡筒の前にビデオカメラを持って手持ちで撮影。不安定で光軸を合わすのに四苦八苦、いや！合ってないだろう！いずれにしても鏡面に私の姿（頭の部分）や手が映っているが仕方ない！
ナイフエッジテストは手持ち撮影が難しくて位置（光軸）をずらしての撮影で鏡面にスパイダーが映っている。目で見た様子はリングも無いフラットで綺麗な鏡面に見えていた。
３１ｃｍの場合
やや負修正だが分解能は０.５秒～０.６秒角をクリヤしている
４０ｃｍ以上のカセグレンをナイフエッジテストして凸鏡に問題があれば凸鏡のみ再研磨製作のご注文をお受け致します。
凸鏡の製作研磨代金
◎ 主鏡口径40ｃｍクラスのカセグレン（凸鏡口径15ｃｍ前後）・・・約 ￥４0万円 ほど
◎ 主鏡口径60ｃｍクラスの 〃 （凸鏡口径20ｃｍ前後）・・・約 ￥９0万円 ほど
◎ 主鏡口径80ｃｍクラスの 〃 （凸鏡口径25ｃｍ前後）・・・約￥１２0万円 ほど
ご相談はメール：sanokyo@nifty.com または、携帯 ０９０－2805－１９６８ 佐野まで。